高齢者世帯の増加や生活保護受給者が多い世田谷区。
区では区営住宅も提供しているが、供給が足らず民間の賃貸住宅も必要である中、不動産会社が入居を拒むことも多い。
世田谷区から「生活困窮者に部屋を紹介してほしい」という相談を受け、「入居を希望する全員のお部屋探しをお手伝いすることが社会的使命であり、企業にとっても当然の営業活動である」という想いから2021年8月に社内に福祉事業部を設置。 さらに、区が2007年に開設した「住まいサポートセンター」と連携し、相談があった際区役所職員と一緒に生活保護受給者への住まい探しを対応。
2021年12月からは家賃保証会社と業務提携し、生活保護受給者対象の家賃保証プランを提供する等、ビジネスとしても確立。 住宅確保要配慮者へ多様に支援できる幅が拡がることで、ハウジングプラザから生活保護受給者の入居審査通過数が増えている。
コロナ禍に停滞した在留外国人数は徐々に戻りつつあるが、依然として賃貸住宅への入居は困難な状態。そんな中、外国人の住宅確保の難しさを痛感した代表ご自身の原体験をきっかけに、多岐にわたる取り組みを開始。
多言語での対応でトラブルを事前に防ぎ、物件オーナーや管理会社向けのセミナーを実施し、外国人入居者の受け入れに対するメリットを訴求し、懸念点を払拭。
また、2018年に開設された「wagaya Japan」は外国人カスタマー向けの物件情報の他にお役立ち情報を提供するだけでなく、不動産会社向けのサービスやシステムを提供する窓口として機能し、様々なステークホルダーに対して価値提供を行っている。
外国人入居者・物件オーナー・管理会社の架け橋となることで、三方よしの状態を作ったこの取り組みは、年間対応実績約10,000件以上となり、賛同者として三重県桑名市などの地方自治体にも輪が広がっている。
物件オーナー業を始め、2回の孤独死を経験。これを機に始めた大学院での「共通価値の創造」の研究を通し、社会的価値と経済的価値を両立させることで、継続可能なビジネスとして住宅確保要配慮者の支援を確立。
行政や赤い羽根共同募金から資金支援を受けている市民グループと協業し、住宅確保要配慮者に空室を無料で貸し出し。物件オーナー仲間への取り組み共有や意見交換会の実施に加え、住民との交流で孤独感を減らすことでトラブルを防止。
人口減少に伴い入居率が下がるエリアにおいて、管理会社と入居者の双方にメリットのある取り組みを築き上げることで、「住宅に困らない世の中」を目指している。