22の共用施設が暮らしを彩る参道沿いのツインタワー

グランドミッドタワーズ大宮の外観

物件名:
グランドミッドタワーズ大宮
所在地:
埼玉県さいたま市大宮区
竣工年:
2011年
総戸数:
941戸

回廊によって結ばれた“現代のお屋敷”

大宮は埼玉県随一のターミナル駅。東北や上越、北陸に向かう新幹線のほか、JRの在来線と私鉄路線を合わせると乗り入れ路線は合計13路線にも及ぶ。この路線数は東京駅に次ぐ多さだとか。
ビッグターミナルだけに、駅前はデパートなど商業施設がズラリと立ち並んでにぎやかだ。駅周辺では再開発も進み、今年4月には「大宮門街」がオープン。2024年には「大宮サクラスクエア」の開業も予定されている。
こうした利便性や話題性などから、2022年の「SUUMO住みたい街ランキング(関東版)」では横浜、吉祥寺に次いで3位にランクイン。まさに躍進中の街といえるだろう。

一方で、昔ながらの景色が残されているのも、この街の魅力である。なかでもシンボルとなるのが、創建二千有余年の歴史をもつ「武蔵一宮 氷川神社」だ。大宮という地名はこの神社を“大いなる宮居”と称えたことに由来。周辺に門前町が形成されたことが、今の街につながっているという。
氷川神社といえば、約2kmに及ぶ長い参道も有名だ。ケヤキを中心に約650本の樹木が茂り、近隣住民の憩いの場としても親しまれている。

30階建てのツインタワー「グランドミッドタワーズ大宮」が立つのは、この緑豊かな氷川参道沿い。約1万9300㎡の敷地に、スカイタワーとフォレストタワーの2棟が肩を並べている。

グランドミッドタワーズ大宮の27階からの眺め

マンション27階からの眺め。こんもり茂る緑道が氷川参道で、氷川神社の杜へとつながる

このマンションの特色はまずは何といってもランドスケープデザインにある。氷川参道に面したロケーションを活かして、“現代のお屋敷”をコンセプトに採用。お屋敷の構成要素である門・塀・回廊・庭園などをモダンにアレンジして取り入れている。

とりわけユニークなのがグランドゲートからのアプローチだ。オートロックの出入り口は左右2カ所に設けられ、1つはスカイタワーのエントランスロビーへ、もう1つはフォレストタワーに通じている。どちらも塀に沿って石畳が巡らされ、その景色はまさしく回廊。傍らには庭園の緑が広がって、歩いていると古刹を訪れたかのような和の風情に包まれる

グランドミッドタワーズ大宮のグランドゲート

“屋敷門”をイメージしたグランドゲート。高さ約3m、幅約20mの堂々たる門構えだ(撮影/SUUMO編集部)

グランドミッドタワーズ大宮の回廊のアプローチ

グランドゲートからスカイタワーに向かう回廊のアプローチ。 “奥”を感じさせる日本古来の建築様式が取り入れられている

建物のなかに入るとさらなる驚きが待っていた。個々にエントランスロビーをもつ2つのタワーは、一見、独立しているようだが、その間に設けられた2階建てのミッドコートで連結。居住者は両棟を自由に行き来でき、さながら回遊式庭園を思わせる仕掛けとなっている。

グランドミッドタワーズ大宮のスカイタワーとフォレストタワーをつなぐミッドコート

右がスカイタワー、左がフォレストタワー。両棟は中央のミッドコートによってつながり、屋内からも自由に行き来ができる

もう一つ、新築時に話題を呼んだのが日本初の「ハイブリッドダブルチューブ架構」の採用である。柱・梁を外周部と内周部に集中させるこの構法は、住戸内の柱・梁の突出を極力少なくできるのがメリット。住戸内の可変性も高く、ライフスタイルの変化に応じて間取り変更をしやすいという。

タワー中央のアート

両タワーとも中央の大きな吹き抜けが特徴。共用廊下から見下ろすと、下には大きなアートが!

芝生が広がる3200㎡のプライベートガーデン

そこで気になるのは実際の住み心地だ。
取材に応じてくださった管理組合理事長(取材当時)のOさんは、新築分譲時からこのマンションに居住。まずは購入の動機から伺ってみた。

「ここにはもともと映画館とボウリング場があり、埼玉で生まれ育った私は何度か遊びに来ていました。馴染みがあったというのがきっかけの一つですね」

さらに、大宮駅から徒歩約7分の近さと、氷川参道沿いの立地も魅力だったという。
「氷川参道は緑豊かで、長い公園がある感じ。家族で散歩したり、ジョギングをしたりとリフレッシュするのに最適です。また、地元の方は氷川神社をとても大切にして、コロナ禍前は夏のお祭りが盛大に開かれていました。町会ごとにお神輿や山車が出て街を練り歩くのですが、法被を着て参加している居住者の方をよく見かけました。ちなみに、大宮駅の東側は土地が細かく分かれているため、広いマンション用地が出にくい。昔から大宮に住む方はそれをわかっているので、希少価値を感じて購入された方も少なくないようです」

そうした立地や環境とともに居住者を魅了しているのが、敷地内の緑の豊かさだという。グランドガーデンと呼ばれる中庭は約3200㎡とゆったり。広々とした芝生のスペースを囲むように、およそ50種・5000本もの植栽が配されている。
「シンボルツリーとして親しまれているのはソメイヨシノ。満開の桜が毎年、住人の目を楽しませてくれます。夜桜見物ができるよう、数年前から開花に合わせてライトアップも始めました」

こうした植栽の管理は管理組合下に置かれた植栽委員会を中心に行われている。担当理事とともに住人有志3名がメンバーに入り、植栽業者と連携しながら植栽の保全などにあたっている。
「竣工後、植栽の状態があまりよくないことから委託する植栽管理業者を変更しました。現在の業者のスタッフさんがこまめに剪定や草取りをしてくれるお陰で、樹木も芝生も生き生きとしています」
植栽管理業者の提案から、花植えや紫陽花の花を摘んでドライフラワーにするといったイベントも開かれるようになり、庭への愛着はますます深まっているそうだ。

グランドミッドタワーズ大宮のグランドガーデン

清々しい空気に満たされたグランドガーデン。パーゴラやベンチを置いた一角もあり、居住者の憩いの場として活用されている

グランドミッドタワーズ大宮のソメイヨシノのライトアップの様子

ソメイヨシノのライトアップは毎年の恒例行事に(画像提供/グランドミッドタワーズ大宮管理組合)

グランドミッドタワーズ大宮のイベントの様子

回廊の脇に花を植えるイベントには多くの住人が参加(画像提供/グランドミッドタワーズ大宮管理組合)

多彩な共用施設で生活が楽しく豊かに

緑の豊かさに加え、豊富な共用施設も魅力だというOさん。
その数を聞いてびっくり。両棟合わせて、なんと22もの共用施設が備えられているという。
例えば、ソファを置いたエントランスロビーは2棟それぞれにあり、雰囲気も違うため気分で使い分けができる。
さらにミッドコートには2層吹き抜けのグランドラウンジとオーナーズラウンジが並び、庭の景色を眺めながら寛ぐことができる。同じくミッドコートの2階部分には仕事や読書に最適なオーナーズライブラリーもあり、取材時にはリモートワークで利用する住人で満席だった。

ほかにも、両棟の27階にはキッチン付きのビューラウンジがあり、高層階からの眺めを楽しむこともできる。
「スカイタワーのビューラウンジは広々として、友人を招いてパーティーを開くのにも適しています。一方、フォレストタワーのビューラウンジはこぢんまりとして落ち着ける。貸切の予約がないときはフリーで出入りできるので、気分転換したいときに利用しています」(Oさん)

共用施設といえば、昨今はゲストルームも定番だが、このマンションでは両棟の27階に1室ずつあるほか、フォレストタワー2階に大小の和室が各1室と全部で4室を確保。いずれも稼働率は8〜9割と人気の施設になっているそうだ。

スカイタワーのエントランスロビー

スカイタワーのエントランスロビーはブラウンを基調にしたシックな設え。水景も楽しめる

フォレストタワーのエントランスロビー

こちらはフォレストタワーのエントランスロビー。赤いソファを配したモダンな雰囲気だ

グランドミッドタワーズ大宮のグランドラウンジ

庭に面したグランドラウンジは開放感満点。朝は新聞を読みながらくつろぐ住人の姿も

グランドミッドタワーズ大宮のオーナーズラウンジ

グランドラウンジの隣にあるオーナーズラウンジは飲食OK。住人の交流の場にもなっている

スカイタワー27階にあるビューラウンジ

スカイタワー27階にあるビューラウンジは広々として大人数の集まりに最適。貸切りにもできる

スカイタワーのビューラウンジからの眺望

スカイタワーのビューラウンジからは大宮駅周辺の街並みや氷川神社などが一望できる。晴れた日は富士山も眺められる

フォレストタワーのビューラウンジ

フォレストタワーのビューラウンジはちょっとした集まりに最適。こちらも本格的なキッチンがあり、貸切り時のみ利用できる

27階のゲストスイート

27階のゲストスイートはまさにホテル!眺望も満喫できる

2階のゲストルーム

2階のゲストルームは落ち着いた和の設えに。琉球畳がモダンな印象をプラスしている

ここまでで紹介した共用施設はすでに10以上。ほかには、どのような施設があるのだろう。
すると、案内されたのはミッドコートの地下。マシンが並ぶフィットネスジム、打ちっ放しの練習ができるゴルフスタジオ、ヨガや卓球などに利用できるスタジオ、さらにサウンドルーム、シアタールーム、マルチルームがずらりと勢ぞろいしている。
Oさんはフィットネスジムとゴルフススタジオの愛用者。
「フィットネスジムは朝5時から夜12時まで開いているので、仕事から帰ってひと汗流しによく利用しています。ゴルフスタジオは有料ですが、1時間でわずか100円。私はゴルフが趣味なので、マンション内で気軽に練習できるのはありがたいですね。毎日のように通っている方もいらっしゃいますよ」
在宅勤務が増える昨今、これらの共用施設は仕事の息抜きにも活躍するだろう。

グランドミッドタワーズ大宮のフィットネスジム

フィットネススタジオは住戸のカギで出入り可能。オープン時間中は予約なしで自由に利用できる

グランドミッドタワーズ大宮のゴルフスタジオ

マンションの共用施設としては珍しいゴルフスタジオ。愛用者の多い人気の施設だ

けやき倶楽部がイベント開催やサークル支援に活躍

多彩な共用施設を活用して、このマンションでは囲碁やヨガなど20団体ほどの認定サークルが活動中だ。Oさんは30人ほどのメンバーがいるゴルフ会に所属して、年2回のゴルフコンペに参加している。
「コンペ以外にもメンバー同士で誘い合ってコースに出たり、打ちっ放しの練習をしたり。マンション内に知り合いができて楽しみも増えました。子ども向けのサークルや習い事の教室も開かれ、子どもが小さい頃に参加していたこともあります。そういうなかで家族ぐるみの付き合いも広がっています」

共用施設で開かれるさまざまなイベントも住人同士の交流を生むきっかけになっている。なかでもメインイベントは7月に開かれる「そらもり祭」だ。
「音楽演奏会や太鼓ライブなど毎年、趣向を凝らした催しがあり、タヒチアンダンスなどサークルの発表会もこのときに行われます。中庭にはサークルなどによる模擬店も出てにぎやかですよ。私はゴルフ会で生ビールのサーブをしましたが、文化祭のようで楽しかったですね」

ほかに、グランドラウンジで開かれるピアノやヴァイオリンなどプロの演奏者を招いてのコンサートも人気だ。開催は不定期だが、コロナ禍前には200人ほどが集まり、大盛況だったそうだ。
「クリスマス会も恒例行事の一つです。子ども向けにはサンタクロースのコスチュームを着た住人がお菓子を配り、大人は夜にオーナーズラウンジでお酒を飲みながら交流を深める。参加費は数百円なので気軽に参加できるのも嬉しいですね」(Oさん)

サークル活動の支援やイベントの企画・運営にあたるのが「けやき倶楽部」だ。例年5名の理事がけやき倶楽部の担当となり、倶楽部内に置かれたキッズ会とシニア会の代表を務める住人と連携しながらコミュニティ形成に力を注いでいる。 「キッズ会は小学生までが対象で、小学校の入学のお祝い会を開いたり、そらもり祭やクリスマス会での子ども向けの催しを担当してくれています。対して、60歳以上の住人を対象に活動しているのがシニア会。バス旅行などマンションの外で行うイベントも企画されています」
Oさんの話から推察される通り、マンション内のコミュニティは極めて良好。あちこちで友達の輪が生まれているそうだ。

そらもり祭の様子

そらもり祭では屋外スペースも使い、さまざまな模擬店が並ぶ。写真は2016年の様子(画像提供/グランドミッドタワーズ大宮管理組合)

2015年のそらもり祭の様子

2015年のそらもり祭の一コマ。子どもも大人も一緒になって楽しめるイベントを楽しみにしている住人は多い(画像提供/グランドミッドタワーズ大宮管理組合)

自主防災会を立ち上げて災害に備える

管理組合ではコミュニティの醸成などソフト面に力を注ぐ一方で、ハード面でもさらなる暮らしやすさを目指して積極的に活動している。その一つは駐車場の見直しだ。
「駐車場は平置きと機械式を合わせて628台分があるのですが、そのうち機械式に70台ほどの空きが出ています。人気があるのは平置きですし、機械式はメンテナンスにお金がかかるので、一部を撤去して平置きにする計画です。これによって、今後のメンテナンス費用を考えると億の単位でコストを削減できる見込みです」
また、大規模修繕工事についても当初は2023年に予定されていたが、修繕委員会を中心に建物の状態などを調査したうえで予定より先に延ばすことも検討されている。

加えて、防災活動についても積極的だ。
「このマンションが竣工したのは2011年2月。入居開始後まもなく東日本大震災が起きたため、防災に対する意識は非常に高く、早い段階で自主防災会が立ち上げられました。この会を中心に防災訓練は年2回実施。災害対策の備品整備や防災マニュアルの作成なども綿密に行われています」

具体的な災害対策としては、安否確認がスムーズにできるようフロアごとに防災担当者を選出。各住戸に色違いのマグネットを配り、その色で助けを必要としている住戸が瞬時にわかるようにしている。また、震度5強以上の地震が起きたときには災害対策本部を立ち上げる体制も整えられている。

今後は地域の避難所に登録して、自治体との連携も強めていく計画もあるそうだ。

グランドミッドタワーズ大宮の防災訓練"

防災訓練では起震車による地震体験も実施。防災に対する意識の高さから参加者も多いそうだ(画像提供/グランドミッドタワーズ大宮管理組合)

再開発などで新たなマンションが増えつつある大宮。緑の豊かさ、住人同士のコミュニティ、手厚い防災体制などなどさまざまな魅力を備えたグランドミッドタワーズ大宮は、地域のマンションの指針になっていきそうだ。

グランドゲートのオブジェ

住人や来訪者を出迎えるグランドゲートのオブジェ(撮影/SUUMO編集部)

構成・取材・文/上島寿子 撮影/上條泰山

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